高齢者社会の日本では介護士が不足しており、介護士の需要が高いので学歴や職歴に関係なく正社員になりやすいといわれている職業です。また働きながら介護福祉士という資格を取得できれば国家資格であるので、手に職をつけることが可能です。
しかし手に職をつけたものの介護の仕事を続けるか悩んでいる方も多いという実態があります。この記事では介護の仕事を辞めたいときの対処法について紹介しています。
介護士を辞めたい理由について
介護士を辞めたい…。
現在、介護士として仕事を行う中で「介護士の仕事を辞めたい」と思っている介護関係者は多い傾向にあり、その理由の一つとして「介護士の給料が低い」という理由や「人間関係に問題があった」など、辞めたい理由は人により違ってきます。
そして現在では、介護士の人手不足により、労働環境なども過酷であり、職員一人当たりの負担が大きくなっているという問題点もあります。政府としては、これから少子高齢化社会で介護職員の減少を問題視しており、人材不足解消に取り組んでいますが、依然として介護職員の人手不足は歯止めがかからないというのが現状となっています。
そのような理由から「負担が大きい介護士を退職して別の会社に就職をする」という決断をする方も多いという訳ですね。次からはこのような介護士を辞めたいという理由について探っていきましょう。
体力的にきつい
まず介護業務では体を酷使する仕事内容が多いために「体力的な限界」を感じて退職を考える方が多いようです。
実際の介護職員をターゲットとした調査では、介護職員の9割は腰痛に悩んでいるという調査結果があり、このような体調面での理由で介護職を退職する人も多いのです。
そして、介護職というのはお年寄りのサポートをメインとした仕事ですので入居者が寝静まった後も安全のために介護士が必ずサポートに入らなければいけません。そうなると当然、夜勤勤務になりますが、人手不足の影響から一人当たりの負担が大きくなるのは目に見えています。
また夜勤時に十分な仮眠や休息が取れないという悩みを持つ介護士の方も多く、実際に夜勤シフトの介護士を対象とした調査を行うと、3割以上の介護士が「夜勤勤務時に十分な休息が取れない」という調査結果があるのです。
労働環境が悪く給料が低い
そして冒頭でも少し触れましたが「介護士の給料が低くて生活が苦しい」というのも介護士を辞めたい理由の大きな要因となっており、実際に介護士として働く6割以上が「給料の引き上げ」を要求していますが、一向に給与の改善は見られないという現状があり、介護職の転職を考える人の割合が多くなってきている一番の要因とも言えます。
そして、介護職員はお年寄りを相手として日常生活のサポートを行う訳ですが、利用者からのハラスメントによって精神を病んでしまったというケースも実際にあります。
それは利用者による身体的暴力や精神的暴力などで、介護職員の7割以上が利用者から暴力を受けたことがあると回答しています。
このような労働環境の中で仕事をするというのは毎日が辛いですし、それに加えて人材不足による職務内容の負担を考えると、転職を考える人が増えても仕方がないことなのかもしれません。
介護職というのはこれからの少子高齢化時代を迎える日本にとっては絶対に無くてはならない仕事ですが、このような現状を考慮すると「転職」を視野に入れて考えるということも1つの選択肢となります。
介護士を辞めたい方が仕事を続けるデメリット
このまま介護士を続けても良いのかな…?
「介護士を辞めたい」という思いを抱きながら仕事をするということは、毎日の仕事に対しての熱意が減少して、思わぬミスに繋がる可能性もあります。
介護士はお年寄りのサポートが主な仕事であり、同時にお年寄りを相手とした接客業という意味合いがありますので、仕事を辞めたいと思いながら、毎日の仕事を淡々と機械作業的に行うというのは利用者にも迷惑をかけてしまう可能性もあります。
介護士としてサポートする相手はお年寄りを相手として仕事をする訳ですから、意欲の低下で利用者に対して失礼な態度を取ってしまったり、お年寄りを抱きかかえる際に力が抜けて車いすから転倒させてしまったり、様々な重大事故の原因ともなります。
重大トラブルを未然に防ぐためにも「介護士を辞めたい」という思いが強くなった場合には思わぬトラブル発生の元となることを理解しておきましょう。そして、自分自身にとっても精神的に良くないということは目に見えています。
このような精神状態の中で介護士という仕事を続けていると「会社に行きたくない」という、うつ病の発症も十分に考えられるものであり、もし介護士としての仕事が辛くて仕事への支障が実際に起こっているという場合には「休職」を視野に入れて、休養をするということも大切になります。
もし「うつ病」になってしまった際には元の元気な精神状態に戻るには結構な時間が必要になりますので、これらの「心の不調」を感じた場合には「転職を考慮するきっかけを得た」という意識で、これから転職をするか、休職をした後に元の会社で介護士として働くか?という選択をするということが大切なことになります。
介護士を辞めるタイミングと辞めるまえにするべきこと
介護士として働くことが困難になり、転職を考えている場合には「転職をするタイミングはいつなのか?」という疑問が生まれることになると思います。
この章では介護士が転職をする一番ベストなタイミングと、退職をする前にやっておかなければならないことについて解説していきますので、転職を希望している方は参考にしてください。
新しい人が会社に入社したときに辞める
まず、介護士の転職を考えている場合に一番重要になることは「職場に迷惑を極力かけない」ということが重要になります。
冒頭でも説明しましたが、現在、介護士というのは人手不足が深刻でスタッフ一人当たりの業務内容が多忙となっていますから、忙しい時期に退職をすると、今まで共に頑張ってきた同僚や会社にとっては非常に痛手となります。
そのために、介護職を退職する際には「会社に新しい人材が入社した時」が会社に対して迷惑をかけないタイミングでの退職となります。しかし、新しいスタッフが入社したとしても直ぐに退職をするのではなく、「新しいスタッフの研修期間が終了してから」退職を行うようにしましょう。これは、介護職というのは厳しい職場ですので、新しい人材が入社したとしても、仕事内容に慣れずに退社をしてしまうということが考えられるためです。
ボーナスをもらって辞める
その次のタイミングは「ボーナスが支給された後に退社」をすることです。これは退社をした後に次の転職先が決まっていない場合であってもボーナスが支給されると、当面の生活費に関しては安心感を得ることができます。
もしボーナスを受け取らずに退社を行うと本来貰えたはずのボーナスが支給されません。それは確実に損ですから、今まで頑張ってきた自分の対価としてボーナスは確実に貰ってから退社をするようにしてください。
有給消化したあとに辞める
その次のタイミングとして「有給休暇を消化した後」となります。介護職というのは多忙な毎日で、人手不足という現状もありますから、有給休暇を殆ど使っていないというケースもあります。これは退職をする際に有給休暇が残り過ぎていると、有給休暇を消化するまでに時間がかかることになります。
そうなると退職日が伸びてしまい、転職までの期間が遅くなるなどの影響が考えられるためです。ですから会社に退職の意思を伝えた場合には、残っている有給休暇を退職日まで連続で使わせてもらえるように依頼をして、残ってる有給休暇を使い切ったら退職できるように調整してもらいましょう。
生活スタイルが変わったときに辞める
最後に「結婚・親の介護などで生活スタイルが変わった時」も退職を行うタイミングとしては適切です。その理由として、介護士というのは女性が働いている割合が多く、結婚や出産などのイベントを境に寿退社をすると、辞める理由として会社側にも同僚側にも退職について理解されやすいという点があります。
転職を目的とした自己都合による退社の場合には、人手不足による影響で上司から引き留めに合う可能性がありますが、このような寿退社の場合には、上司は滅多なことが無い限り、退職を引き留めるようなことはしません。
このように介護士を辞めたい場合には「職務内容の引継ぎ」や「退職をするタイミング」をしっかりと見計らって退職をするということが円満に退社をするためには大切になることなのです。
介護士の方のおすすめの転職先
介護職の転職を考え、実際に転職先を選ぶ際にオススメできる転職先はどのような業種になるのでしょうか。
介護職というのはお年寄りを相手にした接客業という一面も持っていますので、介護職として培われた「コミュニケーション能力」を活かす職業に転職をするというのがオススメです。
お年寄りと毎日コミュニケーションを行っていた経験というのは接客業にとっては自分の今までのスキルを十分に活かせるチャンスがあるのです。
- 飲食やアパレルなどの接客業
- 看護助手
- 保育助手
接客業と言っても様々な業種があり、飲食業界や小売業やアパレル業界など様々な求人が多く求人募集を行っていますので、接客業に対して転職先が無いという不安はまず無いでしょう。また、看護助手もオススメできる転職先となります。
看護助手と介護士は仕事内容としては近い存在であり、これまでコミュニケーションを取ってきた経歴をしっかりと活かすことのできる職種となります。
看護助手の具体的な仕事内容は「着替えの手伝い」や「入浴のお手伝い」など介護士の仕事内容と似ているために介護職で培ってきた経験を活かしたいならば介護助手への転職を行うというのもオススメです。
そして特にオススメできる転職先が「保育助手」という仕事で、これまで高齢者を相手に仕事をしてきたのが、園児や保護者、保育士との関係に変わると考えてもらえれば理解しやすいかもしれません。介護士というのはお年寄りの表情や仕草から気持ちを読み取って、相手が何をしたのか?ということについて理解する力が養われています。
このような相手の仕草を理解して、相手が何を求めているのか?ということを理解する能力が保育助手として活かせますので、介護士からの転職で保育助手になることは最も適している転職先とも言えるでしょう。
これまで、介護士が転職をする際にオススメできる転職先を紹介してきましたが、これらの業種だけではなく全く違う職種に挑戦してみるというのも人生の経験値を高めるという意味でもオススメできます。
確かに新しい業界や業種に関して転職を行うということは勇気がいることだとは思いますが、一度自分が興味のある業種に転職してみると、自分が想像していた以上に、自分に向いていたということもあり得ますので、全く違う業種に挑戦してみるというのも悪くはありません。
介護職から異業界へ転職したい方におすすめ!転職エージェントを賢く使おう!
転職エージェントは無料で転職をサポートしてくれるサービスです。具体的なサポート内容は次の通りです。
- 非公開求人を含めた優良企業の求人紹介
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 各企業ごとの選考(面接)の対策
- 年収交渉・入社日の調整
- あなたを企業に推薦&直接人事にプッシュしてくれる
現在の仕事を併行して転職活動を進めていくには効率よくスピーディーに進めていく必要があります。また1人で情報収集をするのは限界がありますので、そのようなときには転職のプロにお願いするのがベストです。
実際に転職活動をするときに多くの方が、転職エージェントを使用して転職活動を進めていますよ!
実際に効率よく内定を獲得するには何社くらい転職エージェントに登録するべき?
「転職エージェントは何社登録すべきか?」と疑問に感じる方も少なくないようですが、リクルートエージェントの調査で転職成功者の多くが複数の転職エージェントを利用していることがわかりました。(参考:リクルートエージェント『転職エージェントは何社利用するのが良い?』)
この調査結果では平均2~3社は登録しているという方が多いので、最低でも2社以上の転職エージェントを使い分けることがおすすめです。
なぜ、転職エージェントを複数使い分けるべきかというと、次のような理由があるからです。
- 転職エージェントによって求人情報が異なるのでキャリアの選択肢の幅が広がる
- 複数のキャリアドバイザーからアドバイスをもらうことで客観的な視点で転職活動ができる
- キャリアアドバイザーとの相性もあるので自分にあったキャリアアドバイザーと巡り合える
こういった理由から複数の転職エージェントを利用することを推奨しています。
転職エージェントに複数登録する際は、大手転職エージェントを中心に登録をするのがベスト!
リクルートエージェント
キャリアアドバイザーのヒアリング力・提案力はピカイチ!求人数もトップクラスに多いので、転職を考えたときにまず初めに登録をしておきたいおすすめ転職エージェント!
- 業界№1の転職エージェントなので、むしろ登録をしない理由がない
- 転職支援実績は累計41万人以上!
- 非公開求人は業界最大級!
- 経験豊富なキャリアアドバイザーが的確な転職サポート
- 独自の業界&企業分析情報を提供してくれる
doda
サイトが1番使いやすいので、自身でも転職活動を進めることができるという方や、できるだけ自分で求人を探したいという方におすすめ転職エージェント!
- dodaは約10万件以上の求人を保有しており、リクルートに次ぐ日本トップクラスの転職エージェント!
- キャリアドバイザーがマメに情報提供をしてくれる!
- スカウト機能があって企業から面談オファーが届くおかげで求人を探す手間が省ける
まとめ
これまで「介護士を辞めたい」「転職をしたい」ということを中心として解説してきましたが、確かに今の介護士の待遇というのは良くありません。
これまで説明したように「給料も同年代と比べて安い」「利用者によるパワハラなどで苦痛」といった問題点は、これから少子高齢化が進み、人生100年時代と呼ばれる世の中で改善していかなければならない課題であるとおもいます。しかし政府はこのような重要な課題に対して対策を行うか?という事に関しては、残念ながらまだまだ先の事でしょう。
そのため「介護の仕事が好きだけど待遇が悪いから転職を検討している」という方は、一度、介護職という業種から退いて、少子高齢化による問題で介護士不足が深刻となり、政府が対策に乗り出して給与面や労働条件が良くなってから介護職に再就職をするという手も近い将来考えられますので、もし介護職が辛くて転職を考えているのであれば、勇気を出して転職をするという選択を行って欲しいと思います。
以上、これまで「介護士が転職をする」という議題で様々な提案をさせて頂きましたが、これを読んでくださる介護職関係者の参考になれば幸いです。
就職・アルバイトランキング